インタビュー 2024.05.09

プロダクトの価値を最大化するのは自分たち。ウイングアーク1stを支えるQAエンジニアの働き方

プロダクトの価値を最大化するのは自分たち。ウイングアーク1stを支えるQAエンジニアの働き方

帳票・文書関連ソリューション、データエンパワーメントソリューションなど、法人向けソフトウェアおよびサービスを開発・販売するプロダクトベンダーであるウイングアーク1st。前回の橋田氏に引き続き、同社の採用面接の担当者を知るシリーズ。今回は、ソフトウェアプロセス&品質改善部の伊藤氏にフォーカス。これまでのキャリアや、QA(クオリティー・アシュアランス)の業務内容、同社で働く醍醐味などについて語ってもらった。

インタビュイー:ソフトウェアプロセス&品質改善部部長 伊藤 潤平
アメリカに留学後、株式会社大塚商会のグループ会社にてヘルプデスク兼SIを担当。新潟にUターン後、ウイングアーク1stへ入社。現在はソフトウェアプロセス&品質改善部部長を務める傍ら、Scrum Fest Niigata実行委員会代表、JaSST Niigata実行委員会、SEA SigSQAメンバー、品質管理学会員、YouTube翻訳活動など多方面で活躍中。

苦手な英語が縁になり、佐渡島からアメリカへ留学

――伊藤さんは新潟県の佐渡島出身で、高校卒業後はすぐにアメリカへ留学したそうですね。

中学生の頃、英語がとても苦手でした。見かねた両親がたまたま知り合った外国人に「息子に英語を教えてほしい」と頼んだんです(笑)。たまたまALT(外国語指導助手)をされている方で、快く引き受けてくださいました。その方がアメリカのミネソタ州出身でなじみがあったこともあり、国内の大学への進学は考えず、ミネソタ州の大学へ留学しました。

――佐渡島からアメリカ……。なかなか思い切った選択だったと思いますが、迷いはありませんでしたか?

人口数万人の佐渡島から東京に行くよりも、海外へ行くほうが意外と気が楽だったんです(笑)。なので、あまり迷いはなかったですね。留学先の大学ではコンピュータサイエンスを専攻し、卒業研究ではチームでオンラインのショッピングカートを作りました。

――就職活動では、日本企業を中心にみていたと伺いました。

留学先の大学で「ボストンキャリアフォーラム」というバイリンガル向けの就職フォーラムに参加したことがきっかけで、日本企業と出会いました。数社から内定をいただいた中で、システム開発や運用などを一貫して手掛ける大手SI(システムインテグレーター)に新卒入社しました。

――その後、地元へUターンされていますね。何かきっかけがあったのでしょうか。

ずっと、地元に貢献したいという想いがあり、「いつか佐渡島に戻ろう」と決めていました。新卒で就職した当時から、「東京での生活は3年ほど」と考えていましたね。

それと、私の実家は酒屋なんです。全然システム化されていなくて、留学先で得たコンピュータサイエンスなどの知見を活かして貢献したい思いもありました。

佐渡島にUターンした後は、地元に支社をもつSI企業へ転職したのですが、その会社が入社して1年ほどで倒産してしまって。どうしようと考えていたのですが、常駐先だったエフ・アイ・ティ(現ウイングアーク1st)という会社に声をかけてもらい、転職することができました。

エフ・アイ・ティは、帳票基盤であるSVF製品の開発をしている会社で、私はSVF製品のテストを担当していました。当時はSVF製品が右肩上がりで売れていた時期で、すごく勢いがありましたね。その後、2014年3月にウイングアーク1stと統合し、現在に続く考え方やカルチャーが入ってくるようになりました。

QAはプロダクトの価値を最大化する部隊

――現在の業務について教えてください。

ソフトウェアプロセス&品質改善部(SPQI部)で部長を務めています。SPQI部が担うのは、ウイングアーク1stのプロダクトに対する品質保証の役割。

残念ながら、一般的にQAはただ「テストをする部隊」と思われがちです。QAが実行するテストはあくまで手段であり、目的は「我々が作った製品をお客さまに使っていただける品質かどうかを確かめること」なのです。また、品質は開発時に作り込むものであって、QAのミッションは作り込まれた品質を保証することだと考えています。ただ、開発時に作り込む品質はQAが全力でサポートします。

ウイングアーク1stには、帳票基盤、データ活用、業務効率化など、固有の強みを持つ多種多様な製品やサービスがあります。開発プロジェクトごとにプロセスや考え方が異なるため、品質を確保するための手法もさまざまです。 幅広い製品の品質保証を実現するために、SPQI部で実施する活動も多岐にわたっています。

また、QAは開発だけでなくカスタマーサポートやセールス、または経営陣など、さまざまなステークホルダーの方と連携していくことが求められます。プロダクトの開発サイクルすべてに関わるため、業務内容は幅広く、そのぶんQAエンジニアとしてのキャリアの広がり方も十人十色です。

――どんなところに仕事のやりがいを感じますか。

品質を守るため、時間をかけてプロダクトと伴走する中で、「売れているか」「活用してくれているお客さまが増えているか」といった結果と向き合えることにやりがいを感じています。

かつて日本では、QAは「利益を生み出せない部門」という見られ方をされることがありました。今は「プロダクトの品質保証が、結果的に売上や利益につながる」という理解が広く浸透し、そうした考えは薄れてきました。先進的なソフトウェアを多く生み出している欧米では、QAエンジニアは非常に尊ばれる存在として位置付けられます。僕自身も、プロダクトの価値を最大化しているのは、我々QAであるという自負を持っていますね。

――品質保証のためにはQAが欠かせない役割を担っているのですね。良し悪しを決める指標はどこにあるのでしょうか?

「絶対にこれだ」という指標はありませんが、1つ分かりやすいものが「お客さまのクレーム数」です。

ウイングアーク1stを代表する製品のひとつに「SVF」があります。SVFは、商取引において発生する請求書や納品書、発送伝票や公的機関が発行する各種証明書などの帳票類の作成や出力をオールインワンで実現する帳票基盤ソリューションです。当初はお客さまからクレームをいただくこともありました。「クレーム」と聞くと不満と捉えがちですが、それは実はお客さまからの重要なフィードバックなんですよね。真摯に対応し続けてきたことで、現在はほとんどクレームや問い合わせがありません。でも売上が順調な製品に対して品質保証するのはすごくやりがいを感じるんです。

世の中に必要とされるプロダクトを提供できる会社

――伊藤さんからみて、ウイングアーク1stはどんな会社ですか。

安定した事業基盤と高い技術、「テクノロジーで課題を解決する」という考え方を兼ね備えており、「強い企業だな」と思いますね。

ウイングアーク1stのメインプロダクトである「SVF」は、国内シェア約7割(※)を誇る製品です。また、電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」は、今後、日本市場だけでなく、グローバル市場を狙えるポテンシャルをもっていると思います。

事業の成長という目標に向けて、経営陣とエンジニアが密に連携しているのも印象的です。経営陣はエンジニアに対してゴールを分かりやすく説明してくれるので、エンジニアは開発に集中できます。エンジニアをとても大切にしてくれる会社だと思いますね。

※出典:株式会社デロイトトーマツミック経済研究所「帳票設計・運用製品の競合調査2022年度版」(帳票運用製品)

――伊藤さんの今後の展望を教えてください。

さまざまな面で、「透明性を持つ」ことを意識したいですね。例えば、私たちはプロダクトの品質を向上させるためにさまざまな機能を開発してリリースしていますが、「その機能を利用しているユーザーはどのくらいいるか」、「機能を付け加えたことでどれくらいプロダクトの売上に貢献できたのか」などは、必ずしもクリアになっていないのが現状です。エンジニアが開発にかけた努力が、どのくらいちゃんと実っているのか、QA担当として可視化できるようにアプローチしていきたいですね。

――ウイングアーク1stで一緒に働きたいのはどんな人ですか。

「世の中を変えたい」「世の中のみんなが幸せになれるようなプロダクトを開発したい」というモチベーションを持っている方であれば、ウイングアーク1stのカルチャーにフィットすると思います。

当社のビジョンは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future. 情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」です。このビジョンに共感し、実現のために自分自身でゴール設定をして業務に取り組める人もフィットするでしょう。そうした方とぜひ一緒に働きたいですね。

現時点におけるエンジニアとしてのスキルはそこまで重視していません。それよりも、スキルを身に付けるための目標設定を考えられる人が良いですね。そういう人を応援し、投資するのが当社のカルチャーでもあります。

――これからQAとして入社する社員に期待していることはありますか。

まずは人と人の関係性を大事にしてほしいですね。組織にはどんなものでも開発できるエンジニアがいる一方で、開発されたものを維持し続けるエンジニアもいます。ただ、エンジニアは一人一人強みがあります。その人なりの強みを見つけて、「じゃあこの方向性で一緒にやってみましょう」と導くことができるQAがいると、組織のパフォーマンスは大きく向上します。さまざまな人が所属しているなかで、それぞれの個性や強みを見つけて、最大限に引き出せるQAエンジニアになってほしいですね。

開発エンジニアと違って、QAエンジニアは一人では何もできません。人と人が高め合える環境があることで、チームとして品質に貢献できます。求められるのは、チーム内に共感を押し広げていく潤滑油のような役割。ヒューマンスキルがあり、我こそはウイングアーク1stのカルチャーにフィットすると思う方とは、ぜひじっくりとお話しさせていただきたいですね!

ライターLabBase Media 編集部 カメラマン上田 真希子