インタビュー 2024.06.26

【ロングインタビュー】”卒業生”だからこそ見えたウイングアーク1stの魅力 

【ロングインタビュー】”卒業生”だからこそ見えたウイングアーク1stの魅力 
語り手:山野辺 史久
Customer Experience統括部 Customer Success部
聞き手:南 賢将
People Success部 HRBP G

こんにちは!People Success部のミナミです。 

今回は、2020年に一度ウイングアーク1stを退職し、別の会社でのキャリアを経られたのちに2024年4月から再度当社でのキャリアをスタートされた山野辺(やまのべ)さんにお話を伺いました。 

仕事において高い成果を出し、ご活躍されているからこそのキャリア上の葛藤や、外の世界に出てみて初めて見えた会社の魅力など、そこには”N=1のキャリア事例”として置いておくのはもったいないドラマがあると感じたので、インタビュー記事として残させていただきました。ぜひ最後までお読みください!

システムエンジニアとしての日々と、カスタマーサクセスとの出会いーシステムを届けた「先」にある世界に見つけた自身のWILL

南:山野辺さんは2015年にウイングアークに新卒で入社されましたよね。どんなお仕事をされていたんでしょうか? 

山野辺さん:当社のBI製品を中心として、お客様への当社製品導入支援と実際の構築を行う、システムエンジニアをやっていました。ちなみに今はカスタマーサクセスという全く違う職種として戻ってきましたが、また機会があったらウイングアークのシステムエンジニアはやりたい仕事ですね!それくらい面白いと感じていました。 

南:そうなんですね!当時どのあたりに仕事の魅力を感じていらっしゃいましたか? 

山野辺さん:当時から面白いなと感じていたのは、ウイングアーク1stの製品群は、製品として実現できることの汎用性の高さから、お客様のビジネスに対して「もっとこうすれば良くなるのではないか?」というアイディアや提案を具現化することができると思っています。お客様の課題を解決できる幅が広い。なのでお客様との日々の議論が、すごく前向きなものであったり、大きな目的の実現に向けたディスカッションだったりします。私も当時は、お客様の経営層や上位役職者の方に直接コミュニケーションや提案をする機会を頻繁に与えていただいていました。 

中でも特に印象に残っているのは、とある会社に当社製品であるMotionBoardを導入いただくプロジェクトで要件の整理フェーズから参画した時のことです。そのプロジェクトでは、最終的な提案を社長に行う前に、取締役のお二人と、「何に困っているのか」「どんな機能が必要なのか」「どんなインターフェース にするべきなのか」など、毎週顔を合わせて徹底的に議論を行いました。 

南:お客様の取締役の方とですか?!山野辺さん当時新卒3年目とかですよね? 

山野辺さん:はい!ここで私は仕事における「信頼」の大切さを学んだと思います。今思えば、最初は彼らも「本当に助けてくれるのか?」と半信半疑だったと思います。ですが毎週顔を合わせて彼らのビジネスがどうすれば伸びるのかを一緒に議論する過程で、徐々に信頼されるようになっていきました。最終的にはその会社の現場で実際に使われている営業日報や週次報告書、月次の経営会議の資料に至るまで、あらゆる生の情報を一緒に確認しながら、「何が課題なのか」「なぜそのような業務になっているのか」「だとすると何をどう改善すればよいのか」など、とても深い議論をできるまでになりました。 最終的に、それまで議論しつくしたことを取りまとめて、社長に提案のプレゼンをする機会までありましたが、この経験はめちゃくちゃ面白かったです。 

南:その後、カスタマーサクセスに部署異動されていますが、どのようなキッカケや経緯だったのでしょうか? 

山野辺さん:とある大規模案件にプロジェクトリーダーとして入った時だったと思います。その案件は、過去自分がSEとして参画した中で最大規模でした。カウンターパートはお客様の営業企画のトップで、とにかくいいものを現場に届けるべく、その方と二人三脚で企画を作り込みました。一度計算してみたんですが、その年私は、その担当の方と1年間で合計160時間もミーティングをしていました。 そのような過程を経て作ったものでしたが、当初なかなか現場に受け入れられませんでした。なので私は、何が足りなかったのか、どうすれば受け入れられるのか、お客様先の実際にそのシステムを活用する生の現場を見に行かせてもらいました。 

南:どんな気づきがありましたか? 

山野辺さん:システム開発によって解決できる問題の「先」に気づくことができました。人を動かすには、機能だけでなく非機能が大切なのかもしれないと思うようになりましたね。システムを作って届けたら、それだけでお客様はすぐに幸せになれるわけではない。提供したシステムを使う人の納得や理解といった、感情の類が伴っていないと、システムをビジネスに生かした成功は難しいということに気づきました。それに気づくに至って、システムを届けた「先」の世界の解像度を高めることが、今後自分としてもお客さまのビジネスに対する貢献度を高めることができると考え、カスタマーサクセスに興味を持ちました。 

「自らの手でビジネスをイチから成長させてみたい」-奇しくもウイングアーク創業者に感化され見つけたチャレンジテーマに挑むべく卒業

南:カスタマーサクセスに移られてからの山野辺さんは当時、社内イベントやカンファレンスによく登壇されていた記憶があります。 

山野辺さん:実はあれは明確に意図があってやっていました。当時、もっと社内でカスタマーサクセスという概念の認知や、重要性を浸透させる必要があると感じていました。私としては、リカーリング収益が柱である当社のビジネスにおいて、カスタマーサクセスがビジネス成功の鍵のひとつであるということが、もっと認知されなければならないと思っていました。もっとカスタマーサクセスという概念であり職業に光が当たり、当時から一緒に頑張っているメンバーも含め目立つ状況にしたいという使命感から、社内外いろんな場所で積極的に発信活動を行いました。 

南:2020年の12月に、ウイングアークを一度退職されていますが、その時の経緯や理由をお聞かせいただけますか? 

山野辺さん:ウイングアークでは本当にいろいろなチャレンジをさせていただいて、ありがたいことに一定の評価もいただいていた一方で、当時の私は一抹の不安を感じ始めていました。 

南:どういうことですか? 

山野辺さん:当時、カスタマーサクセスに関して体系的にまとまった情報はまだあまり国内には流通しておらず、同業のコミュニティ活動を通じての情報交換が盛んな時期でした。そういったものに私も頻繁に参加する中で、同じカスタマーサクセスという仕事で大活躍している社外の人々が、少し眩しく見えた時期がありました。当時の私は、「社外にはこんなに優秀な人がいるけれども今の自分はもし彼らと一緒に仕事をしたら同じくらいの成果を出せるのだろうか」自分に自信がなかったわけではなかったのですが、外の世界を知らなかったがゆえに、漠然と不安に駆られることもありました。 

南:そのあと、すぐに実際に転職活動というアクションを取られたんですか? 

山野辺さん:実際に転職活動をすぐに始めたわけではなく、芽生え始めていた自分のモヤモヤした気持ちを、社外の人にぶつけてみるくらいの感覚で、いろんな人と話しに行きました。時にはカジュアル面談などもさせてもらいましたが、正直ピンとくる会社と出会うことはありませんでした。 これはのちにウイングアークに戻ってくる理由にもなるんですが、やはり当社のビジネスを私はすごく面白く感じていて、他の会社では、いま自分がやらせてもらっている以上の大きなことをできるイメージが全くわきませんでした。 

南:そうだったんですね!最終的にはウイングアークを一度ご卒業されることになりましたが、決め手は何だったんですか? 

山野辺さん:最終的な決め手は、自分が会社をイチから成長させていくことに寄与できるチャンスに巡り合ったというところになります。転職した会社(前職)は、成長途上のスタートアップで、カスタマーサクセスが成長の起点になっていくという思想を持った会社でした。CSという仕事に誇りを持っており、なおかつキャリアとして「会社をイチから成長させることに貢献したい」と思っていた私にとっては、新たなチャレンジ機会に巡り合った形でした。実は、そのマインドに火が付いたのは、「内野さん」(ウイングアーク1st創業者であり、現取締役会長の内野 弘幸)との会話でした。 

南:そうだったんですか!?詳しく聞かせていただけますか? 

山野辺さん:当時updataNOW(ウイングアーク1st主催の国内最大級のビジネスカンファレンス)の登壇の前日に、会場の控室で打ち合わせをしていた時、たまたま内野さんが入ってきて。そこで内野さんが、内野さんの対談相手だったサイボウズの青野さんとの思い出話を語ってくれたんです。当時まだウイングアークも小さな会社だった時に、当時から親交があった青野さんと、どう切磋琢磨してこの領域を盛り上げてきたかや、当時挑戦した取り組みが、今のこのビジネスにつながっていて…みたいな話をたくさんしてくださったんです。話を聞きながら、「自分もそんな風に会社の成長に寄与できた話を、語れるようになりたい・・・!」と、思ってしまったんです(笑) 

南:なるほど・・・!当時の山野辺さんの漠然とした不安を晴らすには、自らビジネスのスタート地点から成長に寄与する経験をつかみ取るしか、ある意味なかったわけですね! 

山野辺さん:それで結局、一度ウイングアークを去って別の会社に行くわけなんですけど、行った先で色んなことを学びました。最大の学びは「会社を支えているのは人である」ということだったかもしれません。どれだけ優れたアイデアやビジネスモデルがあっても、それを実行したり推進する人に熱量や気持ちがなかったりすると、ビジネスというのはうまくいかない。逆に、ありきたりなアイデアだったとしても、そこに集った人が全力で熱量高く取り組んでいたりする会社は、世の中から認められるんだろうと思いました。

「今の自分なら、もっと貢献できるかもしれない」-古巣に舞い戻る決意を固めた理由 

南:興味深いですね。その気づきと、ウイングアークにその後戻ってこられたことに、何か関係はあったりするのでしょうか? 

山野辺さん:ありますね。まずやはり私は、ウイングアークの「人」が好きです。働いている人は熱量をもっている人が多いし、さらにはお客様も熱量が高い。これは本当に素晴らしいことだと思います。そういう、志があるという意味で、いい人たちと一緒に、いい仕事をしていい成果を出して喜ぶみたいな、シンプルだけどビジネスをやっていて一番楽しい時を過ごせる会社というのは、やっぱりいい会社だと思います。 

南:シンプルですが本質ですよね。山野辺さんのお話だからこそ、より質量を伴って響いてきます。それで、ウイングアークに戻ってくるかどうかのキャリアの分岐点は、どのように訪れたんですか? 

山野辺さん:いろんな理由はあるのですが、前職では、自分自身はすごく成長させてもらったものの、当初思い描いていたほどには、自分の力を会社や関係するお客様の成長に十分注げていないと感じたことが大きかったかもしれません。 

南:でもきっと山野辺さんのことだから、ネガティブなことばかりではないんですよね? 

山野辺さん:そうですね。前職で最後は管理部の部門長として、全社の業務の仕組みづくりに責任を持つ立場でしたが、この仕事にも非常にやりがいを感じていました。ただ、もうちょっと自分が、お客様に価値を提供しているという実感と自信を持ちたいと思うようになりました。やっぱりお客様に限りなく近いところが好きなんだと思います(笑)。また別の新しい会社でビジネスを大きくするという選択肢と、ウイングアークに戻る選択肢が2つありましたが、色々悩んだ結果、戻る決断をしました。 

南:一般的に、古巣に戻る選択肢というのは、当たり前に出てくるものではないと思います。どういう想いがあったんでしょうか? 

山野辺さん:実は私は、最初にウイングアークを卒業する時から、「いつかキャリアのどこかのタイミングで戻ってきて、それまでの経験の成果を会社に還元したい」と思っていたんです。ただそれはたとえば40歳とか、もっと先の話かなとは思っていました。結果としてかなり早くその時は訪れたわけですが、今でも思いは変わりません。数万社という顧客基盤、数百社というパートナー企業がいて、熱量と想いのある社員と特異な強みを持つプロダクトもある。こんなに凄い会社は、もっと伸びるはずだと思っています。特に帳票領域では、日本全体の企業活動の基幹となる領域に対してソリューションを提供し、高い製品導入シェアを誇っているわけですが、そんなウイングアーク1stという会社が、正しい考え方のもと、正しいソリューションを今後ももっと提供し続ければ、1社1社のお客様の成功にとどまらない、日本全体の生産性をも変え得ると、私は本気で信じています。そういう意味で、キャリアのチャレンジとして、新しい別の会社を大きくする道を選ぶのではなく、もっと大きな目的を実現し得る、ウイングアークに戻ることを決意しました。今後は、卒業時よりもずいぶん大きくなった古巣を、さらにジャンプアップさせることに尽力したいです。 

南:めちゃくちゃアツいですし、素敵なお話ですね。一度目の転職では、WillとCanで意思決定をされてご卒業された中で、2社目でそれを大きくする過程で山野辺さんのなかにある種の使命というか、Mustが芽生えて舞い戻ってこられたというような感じですかね。 

山野辺さん:そうですね。希望もありつつですが、危機感ももちろんありますね。ウイングアーク1stは今後もっと非連続な成長ができると思いますし、そのためにはもっと過去にとらわれない新たなチャレンジが必要と思います。 

南:非常に共感できます。今後、非線形の進化をしていくうえでは、脱皮的な進化が必要だと私自身も感じることがあります。最後に少しお話が変わりますが、ウイングアークをいちど卒業されてみて初めて見えた良さって、何かありましたか? 

山野辺さん:心理的安全性がすごく高い組織だということを強く感じましたね。ちゃんと相手を信頼して仕事ができる、というんですかね。不安なく発言ができる空気感は、ウイングアークは突出していると思います。

南:これもまたとても共感です。ウイングアークは、社員1人1人が体現することが期待されている「コアバリュー」の1つにもある通り、互いのリスペクトを感じるシーンが働いていて私も多くあります。山野辺さん、今日はたくさんのお話を聞かせていただきありがとうございました!

山野辺さん:ありがとうございました!

*編集後記
キャリア選択において、元いた会社に戻るというのは不思議な選択肢でもあります。

人と組織に関する研究知見を漁っていて偶然見つけたのですが、このことにまつわる興味深い概念として、「レガシーアイデンティフィケーション」というものがあります。これは、過去に所属していた組織の文化、価値観、目標などが自分のアイデンティティの重要な部分になっており、その結びつきが強い状態を指します。

一般的に、離職というものは会社と社員の関係の終焉であると捉えられがちです。しかしながらレガシーアイデンティフィケーションの観点から考えれば、昨今「アルムナイ採用」という形で、退職者をも中長期的な採用の潜在候補者としてネットワーク化したりアプローチをする動きは、採用難の時代においてはある種必然と言えるのかもしれません。

山野辺さんのお話を伺っていて、在籍時のポジティブな組織への愛着は、レガシーアイデンティフィケーションを高めるのではないかと感じました。インタビュー中にもあった、1回目の退職の際に、自身として「またいつか戻ってきて、経験と成長の成果を還元したいと考えていた」というお話は、まさにそれを体現するものだと思います。

企業としては、社員との関係性を「入社」「在籍」「離職」という「点」でとらえるのではなく、出会いから卒業、その後の関係性まで含めた長期的な関わりを意識するような、カスタマージャーニー的な考え方が求められるのかもしれないと感じました。

インタビュー・編集:People Success部 南 賢将

\ ウイングアーク1st情報配信登録 /

ウイングアーク1stでは、定期的に求人情報やイベント情報をご案内しています。

▶▶▶ 情報配信をご希望される方は こちら