マネージャー合宿(@熱海)に行ってきました!
こんにちは!People Success部 HRBP グループのミナミです。
先日、人事のマネージャー以上の面々で集まってオフサイトミーティング(合宿)を行いました。当社の働き方のスタイルは、基本的にはフルリモートですが、チームビルディングなど、目的を持って集まることで生産性や付加価値が高まることには、対面の場を積極的に活用しています。
場所は、当社が年間契約をさせていたいている、Island and officeさんの、5月17日にオープンしたばかりの「I&O熱海」を利用させていただきました!
絶景のオフサイト施設「I&O熱海」
I&O熱海は、熱海駅からほど近いにもかかわらず、閑静な住宅街にあり高台から相模湾を見渡せる最高のロケーションでした。
「オフサイト特化型施設」というだけあり、20名程度で会議も可能な、ネット環境、ホワイトボード、大型モニター完備のミーティングルームがあり、ここでみんなで食事をして歓談したりもしました。
会議室兼ダイニングは壁ではなくガラスで囲われているため眺望がよく、外から見てもかなり洗練された印象になっています。一見写真だけでみると異質な印象を受けるものの、内装に使われている木材の優しいにおいと、施設の周りを囲む森とかすかに海のにおいに包まれて、すごくリラックスできます。
なんと施設内にはサウナルームもあり、存分に整わせていただきました(笑)。
オフサイトだからこそよかったこと
今回は、People Success部(人事部)のグループマネージャー3名、部長、担当執行役員の5名で、マネージャー合宿という名目で出かけてきました。今回の合宿は、以下を目的にしました。
- 今後より高い組織成果を出していくための、マネージャー新体制のチームビルディング
- 部および会社のHR課題の洗い出し(中長期)
- 次回役員合宿に持ち込むアジェンダ決め
今期から私たちは、マネジメントとしては新体制の組織です。これまでも日ごろから仕事で関わってきたものの、普段のフルリモートでのオンラインをベースにしたコミュニケーションは、どうしても目的志向的になりがちです。(ちなみに参加したマネーシャーのうち1人は、普段は福岡からジョインしています)
1泊2日で長時間同じ空間にいることで、仕事以外にもプライベートの話含め様々な話をすることができ、お互いのパーソナルな部分についても知ることができたため、互いに自己開示が進んだ気がします。
(余談ですが、夜はみんなでトランプゲームの大富豪で大変盛り上がりました。こういったゲームはその人の人となりや価値観が垣間見える気がするので、単に楽しかっただけでなく相互理解という観点でもよかったと思います)
また、「未来の話にしっかりと時間をかけよう」と予めみんなで決めていたので、アジェンダを事前に持ち寄り、中長期の潜在課題や未来の組織図などについて話し合えたことは有意義でした。
普段マネジメントをしていると、自担当領域のアジェンダに思考が偏りがちになったり、緊急性の高いイシューへの対応に追われがちになるので、「今後の会社の成長とともに、どのようなHR課題が想定されるか」であったり「HRとして会社の目指す未来にどう貢献するか」という、大きなテーマをみんなで考えることができて、非常によかったです。
オフサイトと成功循環モデル
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キムが提唱した「組織の成功循環モデル(ORGANIZATION’S CORE THEORY OF SUCCESS)」という概念があります(*1)。これは、端的に要約すれば組織が成果を上げ、成功に向かって進んでいくためのモデルとして、「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」のサイクルを回す重要性を唱えるものです。
思考や行動の質をいかに高めるかというのは、ともすると個別に考えてしまいがちなところを、関係性の質が思考や行動に影響するというメカニズムとして提示してくれているため、個人的にお気に入りの学術理論です。
このモデルに沿って考えるならば、組織活動の結果の質を上げるには、いきなり成果を求めるのではなく、まずはメンバーの関係の質を上げることから始めよ、となるでしょう。
関係の質が良くなると、組織で協力し合えば良い方向に向かうという前向きな思考が生まれ、皆で助け合い協力して行動しようとなり、組織成果の質が上がる、というロジックです。
日本では、オフサイトミーティングは学術的には広義のワーケーションの一種として整理されています(*2:田中、石山2020)。ワーケーションの実施が従業員の心理的側面に与える効果を実証した研究では、イノベーション、メンタルヘルス、エンゲージメント、生産性いずれに対しても、ワーケーションの実施がポジティブに作用するという結果が報告されています(*3:宮本、尾形2023)。この研究における「イノベーション」の項目に、「心理的安全性」と「チームへの信頼」が含まれており、今回1泊2日というワーケーションというには短い時間ながらも、確かにそれらが高まった実感がありました。
そういう意味では今回の合宿は、新体制の「関係の質」向上の大きなきっかけになったと思うので、引き続きマネージャー同士でコミュニケーション量を増やして、思考の質も高めていきたいと思います。
小さなことですが、実際に合宿からかえってきた週のある日に、自分の仕事上のアクションについて、一緒に合宿に参加したマネージャーのHさんにフィードバックを求めたところ、非常に建設的な意見をもらうことができて、内省に繋がるといった出来事もありました。
当社の「オフサイト費用補助制度」について
今回のテーマに関連して、当社の「オフサイト費用補助制度」について、少しご紹介したいと思います。当社には、「オフサイト費用補助」という、オフサイトミーティングの費用を「一人当たり年間5万円まで」会社が負担するという制度があります。
ひとり年間5万円ですから、一定大がかりな(リッチな?)研修旅行やレクリエーションが可能になるので、この制度を利用して部ごとに様々な取り組みが行われています。
写真はオフサイトを実施したとある部署の幹事の方が、全社共有のチャットルームで共有してくれたオフサイト実施報告です。
他にも、オフサイトの様子をブログにまとめてくれている部署もあります!(個人的に、ブログ筆者の「菩薩さん」のレポ漫画シリーズはどれも感動のクオリティなのでおすすめです)
SPQI部オンサイトコミュニケーション合宿 in 箱根レポ漫画
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「ウイングアーク1stさんは、合宿文化ですよね!」
Island and officeさんの代表の方にそう言っていただいて、なるほどそうなのかもなと思いました。
個人的な印象として、ウイングアーク1stの社員には「自分たちのいる場所が、自分たちにとって、仲間にとってどうすればもっと良くなるだろうか」ということを考えて動く人がとても多いと思います。これはもしかすると、先の成功循環モデルの「関係性の質」に重きを置いている人が多いということなのかもしれません。毎年、部署や組織ごとに、狙いや想いが詰まったオフサイトが全社的に行われています。
フルリモートをベースにした働き方の中でも、互いの信頼(the Trust)を強固にするため、各組織でそういった意志ある取り組みが自然と行われているんだとすれば、すごく素敵なカルチャーだなと感じました。
いかがでしたでしょうか?前回のオフィスツアー記事に引き続き、当社での働き方について、少しでもイメージがわいてくださったなら幸いです。
*参考文献
*1:『WHAT IS YOUR ORGANIZATION’S CORE THEORY OF SUCCESS?』BY DANIEL KIM
*2:日本型ワーケーションの効果と課題 田中 敦、石山 恒貴(2020)
*3:ワーケーションが従業員の心理的側面に与える影響に関する実証的研究 宮本 万理子、尾形 和哉(2023)
*あとがき
日本でフルリモートで働ける会社は、なんと全体の「1%」
先日、『日本で「フルリモート」できる会社って何%ある?世界平均の14%に比べた結果が衝撃だった』というタイトルの記事でそのように書かれていました。
記事によると、同調査は11カ国の従業員2,716人(日本からは245人)に対して実施したものということで、やや統計としての基盤が弱い気もしつつなので、数字のインパクトには眉に唾してみる必要はあると思います。しかし、実際にふだん採用活動をしていても、「フルリモート求人」は肌感覚ですがここ1年くらいでかなり減ってきている印象があります。
組織と人との間には「組織が人を惹きつける力=求心力」と「組織から人を離していく力=遠心力」の両方が働いています。個人的には、人と組織の結びつきが、いわゆるメンバーシップ性の高い多くの日本企業は、リモートワークの環境下では、組織と人との間に働く求心力を高めるのに苦戦しているんだろうなと感じます。(もちろんメンバーシップ性の高さだけが要因ではないですが)
この、地理的特性と共同体への参加ないしコミットメントのある種のトレードオフを見事に乗り越えている例としては、個人的にOSSとしてのLinuxを思い浮かべます。Linuxの歴史的発展の経緯についての説明は、末尾に引用した記事に詳しいのでここでは控えますが、私としては「目的が優れていれば、時間や場所を超えて世界中の才能を惹きつけることもできる」例として、記憶しています。企業組織の例ではないので、あくまで極例として参考になるという意味です。
フルリモートでも求心力を高めていくには、組織はパーパスやビジョンなど、より目的の魅力によって個人とのつながりを強めていく必要があるのではないかと感じました。そういう意味では、目的の魅力が著しく弱いような組織は、ゆくゆくは個人から選ばれなくなっていくという未来もそう遠くない、あるいはもう訪れてきているのではないかということを、合宿中に相模湾を眺めながら考えたのであとがきとしてメモしておきます。
*参考記事
『日本で「フルリモート」できる会社って何%ある?世界平均の14%に比べた結果が衝撃だった』(2024年05月19日)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_66498950e4b06c8b1f740b67
『25年前に生まれて世界を制覇した、Linuxの物語』
https://wired.jp/2016/08/28/linux-took-over/
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