採用 2024.04.26

【セミナーレポート(動画アーカイブ付き)】リアル対談!新しい採用の形「タレント・アクイジション」の始め方

【セミナーレポート(動画アーカイブ付き)】リアル対談!新しい採用の形「タレント・アクイジション」の始め方

こんにちは!People Success部 HRBP Gのミナミです。先日、当社イノベーションラボであるD.E.BASEで開催したイベントfemto(フェムト)において、「タレント・アクイジション」をテーマに、TalentX株式会社からMyTalent CRM Biz マネジャーの近藤さんをお招きし、対談させていただきました。

対談形式の登壇は、個人的にすごく好きです。
対談形式の登壇は、個人的にすごく好きです。

今回の記事では、近藤さんと繰り広げた対話の中から抜粋し、臨場感もお伝えすべく書き起こし形式でお届けします!

タレントアクイジションとは何か?

採用手法の変遷を話す近藤さん
採用手法の変遷を話す近藤さん

近藤さん(以下、近藤):(採用のあり方は)大きなトレンドとして、リクルーティングからタレント・アクイジションに、という流れの中にあります。1990年代に成果報酬の人材紹介が始まり、基本的には人を介して情報のマッチングをしていたというところですね。この時代は、基本的に転職情報とか、求人情報というのは世の中に出回っていないので、それを持っていることが価値でした。そこから徐々にインターネットの普及に応じて、インターネットを通じて大量に募集が出せるようになっていくと、求職者もより多くの求人に触れられるようになりました。一方で情報が増えていくと、たくさんある求人の中で選びきれないとか、どれが自分に合ってるかわからないということにもなってきています。企業が直接口説きに行く、「たくさん情報がある中で、あなたはうちのこの求人にマッチしてますよ」と、ちゃんと口説きに行くというところがトレンドとしてきてると思います。

南:マーケティングやセールスの世界でも、顧客のインターネット滞在時間が長くなってより細かく情報がとれるようになってセールスの介在価値が変わってきた、という変化ってあると思うんですけど、それと似て、時代とともに企業と求職者間の情報の非対称性がなくなってきているということですね。

転職「潜在」層が本当に求めている「意外な」情報とは?

近藤:みなさん採用マーケティングと聞くと、ナーチャリングをしようと思いがちですが、そうなると候補者様に「会社の情報」を送った方がいいんじゃないかと思うのではないでしょうか。しかし、我々何十万人と候補者データベースを持ってるのですが、各社が候補者さまに送られたナーチャリングのためのメルマガを実際にみると、どういうカテゴリのコンテンツが一番興味を持たれるかを出してるんですが、なんと求人情報がメルマガの中で一番見られているんですね。

近藤さんがセミナー開始前に急遽作成してくださった興味深いデータを示した資料
近藤さんがセミナー開始前に急遽作成してくださった興味深いデータを示した資料

南:これはすごく意外な結果ですね!

近藤:いきなり(潜在層の求職者に)求人なんて送っても、意向が上がらないんじゃないかと思うんですけど、実は逆で、求人が一番見られています。かつ、35.5%とありますが、これがメルマガを開いた人のうち、どれくらいが(求人の)URLをクリックしてるかという率です。(スライドの)一番左が企業情報なんですが、(メルマガの)開封率が61%で、中身の企業情報をクリックした方は3.4%なので、これだけでは全然実は意向が上がっていないということになります。

逆に求人情報ですと、85%が(メルマガを)開いて、そのうち3割近い方がしっかりURLも踏んでると。ただ、求人情報だけですと、大手の会社になればなるほど、組織が大きいので、どういう人が活躍してるかわからないというところもあったりするので、入社事例とかイベント、こういったイベントなどの場でしっかりと生の情報をお伝えしていく、こういったところが結構大事というところですね。

自社の採用を「リクルーティング」から「タレントアクイジション」に変えていくには?

南:ここまで転職市場のマクロトレンドの話から始まり、当社を題材にイチ企業のタレントアクイジションを目指した取り組みをご紹介してきたので、お聞きのみなさんも「そろそろうちもやっていこうか!」みたいなモードにきっとなってくださっているのではないでしょうか。

ここからは、自社の採用を「リクルーティング」から「タレントアクイジション」に変えていく上で、どういうところがポイントになるのか、近藤さんと探っていきたいと思います。

近藤:いくつかポイントがあるかなと思います。中長期的な理想で言うと、会社の経営陣含めてそういう思想が理解されていて、先ほど(ウイングアーク1stの取組事例であったように)専門部署を設立する、みたいなところまでできるとベストかなと思ってます。

とはいえ、採用担当のみなさんもいろんなミッションを持ってる中で、一足飛びにそこに到達するのは難しい場合も多い。だからまずは、自分たちが持っている求人の中で、どういう人材がいると事業がスケールするのかということを、きちんと事業部や経営と会話をしていくことが重要です。(そのうえで)エージェントやスカウトだけでなく、Xとかユートラスト、LinkedInなど、お金かけなくても求職者にアプローチできることで、自社が欲しい人を定義してアプローチしてみる。そこをやってみるのが結構大事かなと思います。

南:私が社内や外部登壇でよく使う資料があるんですが、人材紹介に頼りすぎるというのはつまり、採用を外注し続けることかなと思います。そうすると、三つのものがなくなると思います。

1つは「スピード」がなくなる。自社で直接求職者にアプローチできる手段と能力。こういうケイパビリティみたいなものがないというのは、やはり適切なタイミングで人材を調達できずに、事業機会を喪失するので、駄目ですよね。2つ目については(資料中央)、エンジニアは求人倍率13倍ですみたいな話があったときに、結局人材紹介ビジネスのモデルというのは成果報酬型ですから、コストドライバーが人材紹介会社側に常にあるということですね。これはシンプルに、料率を高く設定している企業が常に有利になるロジックなので、採用規模を大きくしたいというときに、コストがかさんでくる体質になるのかなと思います。

3つ目(一番右)ですが、そもそも日本の「型」が決まった採用の中で、空いた枠を埋める活動をやり続けて、採用担当として、あるいは採用チームとして何か成長するのか、という話です。エージェントさんにお願いするということは、結局1人を紹介してくださるのに例えば何人に声かけて、何人から反応が返ってきた1人を推薦してくれてるのか、というのはブラックボックス化していますよね。そこが見えないというのは、ソーシングにおける自分たちの真の実力もわからないし、したがって組織としての学習も回らない、ということなのかなと思います。この三つを、とにかく社内に警鐘を鳴らしたという、僕の実体験ですね。

近藤:この三つはめちゃくちゃ大事なことが詰まってると思います。特に、真ん中の「レバーがなくなる」って、言い得て妙だなと思いました。私もかつてエージェント業をやっていましたが、担当エージェントが変わると推薦量が落ちて、担当が変わっただけで自社の採用がうまくいかなくなるって、よくあるんですが考えてみるとすごくリスクですよね。

その点でやっぱ右側のように、しっかりと自社で採用ノウハウを貯めていきつつ、人が採れる仕組みを作っていくとか、Time to Hireもまさにこの概念で、優秀な人が、1ヶ月後に入れるというのと1年後に入れるのとでは、結構インパクトが違いますよね!

南:そうなんですよねー!ここまで話してきた、リクルーティングからタレント・アクイジションに、0から1で、一気に切り替えろって言ってるんじゃなくて、無料でできるものも含めてアクションできることもあるので、できることから始めるというのがとても大事だと思います。

それをやり始める上で、いま事実として世の中がここまで話してきたようなトレンドに変化しているのであるから、このまま旧来型の採用のやり方を続けてもじり貧になることは明らかなんだから、とにかく外部適応として危機感を持って変革をしていく覚悟が必要ですね。これをリードするのは、採用担当のミッションだと思うんですよ。「アジェンダを上げる」って僕よく言うんですけど、とにかく社内で、自分の上に対してアジェンダを上げ続けることが大事っていうのが、今日僕が一番言いたいことですね。

明日からできるタレント・アクイジションの取り組みとは

以下の動画アーカイブの、49:08の位置(YouTubeに遷移します)からご覧いただけますので、ぜひご視聴ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。今後も継続して、D.E.BASEでイベントを開催していきますのでぜひご注目ください!